さがけいたろう-佐賀慶太郎
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- 一体どういう奴だ。残忍だな。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201611/CK2016110102000113.html
目黒遺棄事件 ストーカーへの対応に甘さ 警視庁、一時保護制度伝えず
2016年11月1日 朝刊
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東京都目黒区の会社員中元志織さん(24)の遺体が遺棄された事件で、逮捕された元交際相手の佐賀慶太郎容疑者(50)からのストーカー被害を防ぐ方法として、警視庁は中元さんに一時避難を助言したものの、一時保護施設やホテルの宿泊費を補助する制度があることを、中元さんに知らせていなかった。対応に甘さはなかったのか。一日で事件発覚から一週間。中元さんの遺体はまだ見つかっていない。 (谷岡聖史、土門哲雄)
ストーカー被害からの一時避難を促すため、各都道府県警は緊急性が高い場合、ホテルへの宿泊費を補助する制度を導入している。公的な相談機関や民間団体には、身を寄せることのできる一時保護施設(シェルター)もある。
佐賀容疑者を暴行容疑で逮捕した埼玉県警からの連絡を受け、中元さんは七月に初めて目黒署に相談。署は計四回の相談で転居、ホテルや広島市の実家への避難、転職、携帯電話番号の変更を勧めた。
一方で、付きまといや押しかけが確認できないとして、佐賀容疑者には接触しなかった。
中元さんは今の勤務先に勤め始めて一年もたっておらず、自宅の賃貸マンションも五月に入居したばかり。署員に「お金を工面できない」「勤務先を変えたくない」と訴え、最後の電話相談から四日後の九月十六日に行方不明になった。
警視庁の担当者は「中元さんから身を隠したいという意思表示がなく、宿泊費補助やシェルターの話まで進まなかった」と説明している。
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◆まず身近な人に相談を
ストーカー被害から身を守るには、どうしたらよいのか。
ストーカー問題に詳しい長谷川京子弁護士は「警視庁は転居や避難を助言したそうだが、どれも実行するのは難しい。転居やホテルへの避難はお金がかかる。実家に帰れば仕事を続けられない。被害者が社会的つながりを失う」と、ハードルの高さを指摘した。
NPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)の栗原加代美理事長は、通勤時に同僚に付き添ってもらうなど、一人で行動しないことを重視する。「大したことないとは考えず、一人で悩まず、まずは身近な人に相談を」と呼び掛けている。
職場に泊まったり、通勤経路を変えたりする方法もある。仕事を休まざるを得ない場合は、生活保護の申請も考えられる。
ストーカー問題に取り組むNPO法人「ヒューマニティ」(東京)の小早川明子理事長は「ストーカーは自宅や勤務先、実家に来ることが多い。警察だけでなく、家族や職場に相談を。自治体や女性相談所が警察と情報共有し、被害者を守ることが大事」と話した。
女性相談所や民間の支援機関に相談すれば、シェルターに身を寄せることもできる。DV被害者らを支援する「東京ウィメンズプラザ」の山口紀子所長は「支援機関は、きめ細かく対応する」と、積極的な活用を提案した。
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