よしだけいた-吉田圭多
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http://www.asahi.com/articles/ASGD27TWSGD2PTIL044.html
オレオレ詐欺を指示容疑 大阪の元格闘家逮捕
高野裕介、山中由睦
2014年12月3日15時05分
暴走族の少年らをオレオレ詐欺の「受け子」に利用して現金をだまし取ったとして、大阪府警は３日、元格闘家の吉田圭多容疑者（３３）＝大阪市平野区瓜破西３丁目＝を詐欺容疑で逮捕した。府警は、背後に関東などを拠点とした振り込め詐欺グループがあり、吉田容疑者は受け子らの勧誘役に指示を出す立場だったとみて組織の解明を急ぐ。
捜査関係者によると、吉田容疑者は昨年２月、現金を受け取る「受け子」や電話をかける「かけ子」と共謀し、東京都日野市の８０代の女性宅に息子を装って電話し、「会社の金が入ったカバンを電車に忘れた」などと言って６４０万円を詐取した疑いがある。
一連の事件では、現金を受け取ったとされる暴走族の少年らと受け子の勧誘役だった暴走族ＯＢ（２４）ら、計９人が逮捕、起訴されている。府警はこのグループが都内の高齢者７人から計約３４００万円を詐取したとみて調べている。
■組織分断 解明に壁
振り込め詐欺などの「特殊詐欺」の被害は、１～１０月で４５３億円と過去最悪ペースで拡大している。背景には、詐欺グループが組織を分断し、摘発を免れている実態がある。
「オレオレ詐欺をやりました」。昨年２月、府警の交通捜査課が道路交通法違反容疑で逮捕した暴走族の少年らの供述から捜査が始まった。少年らをグループに誘い込む「勧誘役」の暴走族ＯＢの男（２４）が浮上し、その交友関係から、少年らの「管理役」や、受取時に少年らが着るスーツを用意する「準備役」が判明。次々に逮捕した。
ところがそれ以後、捜査は難航する。携帯電話などをそろえる「道具屋」の存在がわかったが、どんな人物か誰も知らない。供述から似顔絵を描き、周辺捜査で割り出して逮捕するまで３カ月。そこから金の流れや通話履歴を調べ、吉田容疑者が浮かんだ。
捜査開始から１年１０カ月。だが、電話をかける「かけ子」のグループや統括役、主犯格の存在は不明だ。特殊詐欺の実行犯は上位者と面識がないことが多い。府警幹部は「組織は巧妙に分断されており、解明はこれから」と言う。
警察庁によると、今年上半期に摘発された９１６人のうち受け子は４８１人。主犯格は３５人だった。（高野裕介、山中由睦）
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